初恋と思い出の場所


すると、先生が平然と私を呼び止めた。



「ちょっと、どこ行くの?あなた付き添いでしょ?側に居てあげて。私はちょっと入学式に出なきゃいけないから」


「はい!?」



私は先生の言葉に驚きの声を上げるしか出来なかった。



いやいやいや、待って、何この状況!

先生は入学式に行ってしまって、何故か新入生である当事者の私が付き添いで残ってるんですけど!



あり得ないこの状況に、私は思わずため息をついた。



「あー、悪いな…えっと、水谷だっけ?」



秋山くんが、申し訳なさそうにそう言ってきた。


私の上履きの色を見て、もう学年はわかっているのだろう。


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