君を思ふ
「 行ってらっしゃい、気を付けるのよー」
『 はーい、いってきまーすっ!』
―――――
―――――――
ああああ、やばい
集合は8時なのにー!
あと10分じゃ絶対間に合わない!
ハゲに怒られるのだけは避けないと!(※顧問です)
「 よう、千歳 」
信号待ちをしていた千歳は、急に声をかけられて驚いた
『 ちょっと健太、驚かさないでよ!』
「 わりぃわりぃ 」
謝る気ゼロのこいつは、幼馴染みの健太。
私の異色の目を見ても仲良くしてくれる、貴重な友達なのだ。
異色って聞くと、外国人のような青色や、色素の薄い色を思い浮かべるかもしれない。
けれど、私の目は違うのだ。
周りの人とは、あきらかに。
燃えるような、濃い〝赤〟なのだから。