君を思ふ
二、
ドサッ
『 いったー‥‥』
あまりの衝撃に目のなかに星がうつる。
どこかに放り出されたようだ。
座り込んだまま辺りを見渡すと、そこは低い建物ばかりの見たこともない場所だった。
そして、歩いている人達はみんな着物なのだ。
何かがおかしい。
嫌な予感がして一人考えにふけていると、目の前に誰かの足があることに気がつく。
「 貴様、どこから現れた。」
ビックリして見上げると、金色が視界に写る。同時に、赤い瞳と目が合う。
綺麗。
ひとことで表すなら、これしかないだろう。
そのくらい、全てのパーツが完璧な顔だったのだ。
澄んだ赤い瞳も、ずっと見ていたら吸い込まれてしまいそうだった。
『 あー、えっと‥‥』
何か話さなきゃと思い、口を開く。
とりあえず、今一番知りたいことを質問した。
『 ここって、何処ですか?』