ラン・エ リーズ


―――――――……‥‥

『ヴァン様、
目的地に着きました。

予定通りです。』



通信機の向こうから希待通りの言葉が
発せられる。

ヴァンは口元をゆるめた。



「では
始めよ」


「は」





通信機を切ると「父上」と
隣にずっといた息子が口を開いた。




「せっかくのパレードですので
わたくしは少し散策してきます。」


そう言うと
シュクルは返事も聞かず、
あっという間に姿を消した。





「…よろしいのですか?」


近くにいた部下が
おずおずと訊ねる。



「あぁ」



ヴァンはじっと
息子のシュクルが消えた後ろ姿を見つめた。


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