ラン・エ リーズ
息子であるシュクルは
人や建物を綺麗に避けなから走っていた。
ミニオンヌに会える喜び。
そして、
…不安とも言えるなんとも言えない気持ち。
段々と人や楽器の音が耳へと
届く距離に至った。
そこは
ペシュマ通りだ。
この通りを北に進むと
城がある。
そこへ
シュクルは一目散に走り出した。
先ほどまでは多くの建物を
避けていた彼だが、
今は人々を避けて
走っていた。
埋もれるほどの人の群れを
泳ぐように進む。
やっと
城のすぐ傍まで来たときだった。
「だれだ
貴様」
エストの兵によって、
城への立ち入りを止められたのだ。
それでも行こうとする彼を
二人の兵が抑える。