ラン・エ リーズ
…キーンキーン
シャー、カキンッ___
下の方から
剣と剣が交わる音がする。
どうやら
森に迷いこんだ人間同士が
戦っているようだ。
リュンヌは
通りすぎようかと思ったが
何かを諦めるように降下した。
戦場から少し離れたところに着地し、
彼らの元に近づいた。
ゆっくりと音を出さないように
剣に手をかける。
魔力は使わない。
理由は単純。
魔力は家柄が良くないと使えない。
特に風の魔法は自分は"エスト"の者ですと言っている
ようなものだ。
エストであり、
家の地位もばれてしまえば自分の正体が
知られてしまう。
それが理由だ。
リュンヌは彼らの様子を探った。