ラン・エ リーズ


キラキラした緑の瞳は
「ね?凄いでしょ?」と
訴えている。










「私ね、マリア。

この卵が一体どんな子になるのか、
見てみたいわ。

もしかしたら
大きな羽を持つ蝶かしら?

ねぇ、
気になるでしょう?」















「女王様…」











侍女は
はぁとため息をついた。










「気になるのは解ります。
解りますけどね、女王様。

今日はあ・な・た様の誕生祭
なのですよ!?

早くご準備を…」














「マリア。

女王ではなく
ミニオンヌでしょう?」












ミニオンヌは
振り返り、ちょっとむくれた顔をした。











「二人のときは
ミニオンヌと言う約束ですよ。

レイ将軍も最近では
私の名をちっとも呼んで下さらないし…。」











心なしか、
そう言うミニオンヌの頭は
ドンドン下がっていく。













「立場というものがあるのです。

ささ、
行きますよ。

早く仕度をしないと護衛の方々が
お着きになられてしまいます。」













そう言うマリアは
半ば無理矢理、

ミニオンヌを部屋へと
連れて行った。





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