冷たい手
「”みかさん、あなた、メロンパンを…”」
『みかさん、あなた、メロンパンを食べていませんが、まだ具合が悪いのですか?』とパソコンに打ち出される
「あぁ、メロンパンはですね、食べてる途中だっただけですよ。お腹もうペコペコです。」

『良かった。元気みたいだね。薬は飲んだ?』とパソコンに打ち出される。
「薬は…今からです。メロンパンを食べてから。」

続けて、『氷枕は…』と打ち出し始めるダイチ。
「んっと…? ”氷枕は持ってきてないのか?”」
「ごめんなさい、す、すぐとってきます!」

ミカは勢い良く立ち上がる。その手をダイチはつかむ。
そしてダイチは首を横に振り、部屋を出ていった。

「やっぱり… 暖かいな。ダイチ君の手。」

ミカの目から涙がこぼれだした。

「泣くな、私… しっかりしなきゃ。」



部屋の扉が開き。氷枕を持ち帰ったダイチが部屋に入った。
ミカはテーブルで、何事もなかったかのようにメロンパンを食べていた。
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