冷たい手
服は、自分で脱げと言っているのだろうか。
そして、横になれというのだろうか。
ミカは今、自暴自棄になっていた。もう、このまま何かされても良いと思っていた。

彼は前のカーテンを閉る。これで、車は外から完璧に見えなくなった。
どうして、彼は言葉を発しないのだろうか?
それがどうしても気になった。でも…
今はそれどころではない。ぬれた服をどうにかするしかない。ミカは服を脱ぐことにした。
洋服に手をかけたその時、彼は扉を閉めて出て行った。

少し安心した。と、ともに。心臓のドキドキを感じた。
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