すれ違い通信
「あの頭が太陽やろう!」
俺は言い放つ。
「いい加減、機嫌直せよ。
いいじゃん晴哉は。隣の子かわいかったんだから。」
その大地の言葉に
「だよな!」
俺の声のトーンが一気に変わる。
「あれはまじでかわいいよな!
けど、あの子は俺なんかとは釣り合わないよ。
すると大地は
「たしかになー。あれはきついな。」
返すと言葉がない俺。
大地に怒っている訳ではない。
本当にその通りだからだ。
俺は力のない声で
「まぁせっかく隣だからとりあえず俺は頑張ってみるよ。」
と聞こえるかわからない程の音量でボソッとつぶやいた。
「おー。がんばれ。」
大地もなぜか力のない声で俺に返してくる。