すれ違い通信

俺は
「なんでお前そんな冷静なんだよ!?
走ればぎりぎり間に合うから行くぞっ!!」

走り出そうとしたその時

「まてーい!!」

その一声が俺の足を止めた。

「何をそんなに急いでいるんだ??
たかが遅刻だろ??
それに急いでギリギリ到着より
初日に堂々と遅刻の方がかっこよくねーか?」


まるで小悪魔でも舞い降りたかのような顔の大地が俺の顔をのぞいてくる。


俺は少し考えて
「確かにな。それも悪くない。」

一度決めてしまえばもう大地は動かない。

6年間も一緒にいればそりゃわかる。

それに確かに「遅刻」って中学生ならではの感じがあって
なんか中学デビュー!って感じがする。

今まで急いでいた俺はなんだったんだか。
< 8 / 27 >

この作品をシェア

pagetop