スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
私の反応を窺う様に尋ねる己園の隣で、七智も微かに落ちつかない様子で私を見つめている。


「……ごめん。そのワンピース普通にカワイイと思うけど、遠慮しとくよ」


私がこう返した途端、七智も己園もあからさまにガックリとした。


「もう湖柚は!!せっかくカワイイ顔立ちしてるんだから、もうちょっとオシャレしなさいよ!!」


「そうだよ湖柚。若い内にしか出来ないオシャレだってあるんだよ?」


「と…言われても………」


2人にお説教されて俯くと、開け放たれた窓から吹き込んだ風が、私の後ろで1つに結んだ髪の毛を前に運んで来た。
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