スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
そう言うと、湖柚の目が微かに丸くなる。


「嫉妬……?」


「人間って自分よりいい物持ってるヤツに嫉妬するもんだろ?オレは湖柚に絡んでたヤツ等もそうだったんだと思う」


長くてサラサラの茶髪も整った顔も、周りの人間の妬みの対象になってしまった。


そしてその妬みは、純粋さは、幼さは、1人の少女を“殻”に追い詰めた。


「いいか湖柚、よく聞け。お前はキレイだ。自分自身洗脳するのはもうやめろ。お前は……もう充分、苦しんだんだから」


包み込んでいた両手を離し、次は湖柚の体全体を抱きしめた。


体、細っ………
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