スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
ジッと耳を澄ましていると、微妙に息の上がった村星君と恐らく2年生か3年生の男の先輩とのやり取りをキャッチ。


それからすぐまたバタバタと慌ただしい足音が聞こえたので、村星君は私がトイレに隠れている事に気づかなかったみたいだ。


気づいた所で、ここは女子トイレ……村星君は入ってこれない。


「うっ……ヒック……フエェ………」


村星君を撒いたと理解した途端、私の目から大粒の涙が溢れ出した。


痛い。


胸がまるで大きな獣に引き裂かれたかの様に、痛くて堪らない。


「なんで………私に、優しくしたのっ………」
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