スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
「グッ……」


胃から嫌なものがせり上がってくる様で、思わず口元を手で覆って便器に座り込んだ。


好きな人に婚約者がいたと発覚して、その婚約者からも本人からも同情で優しくされていたかもしれない。


前触れも無く一気にこんな展開に陥って平静を保っていられる程、私は人間出来ていない。


目を閉じると、頭の中に優しく笑う村星君の姿が浮かんだ。


「同情なんて……いらないよ……村星君………」


私がアナタから欲しかったものは、愛情。


でもそれは………私が1人で勘違いして、舞い上がっていただけだったんだね…………
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