スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
「湖柚………」


――――ビクッ!


後ろから昨日凄まじく気マズイ別れ方をした男の子の声がして、肩が跳ねた。


ゆっくりと後ろを向くと、村星君が顔の筋肉を強張らせて佇んでいる。


「アーーラ、高校1年生にしてフィアンセがいらっしゃるモテモテ王子様、湖柚に何のご用で?」


「昨日の今日で、よくもこの子に声かけられますねぇ?」


顔を強張らせる村星君に対し、体を強張らせる私。


己園と七智がそんな私を庇う様に、私の前に立ち塞がった。


「………鞠目、猫野。悪いけど、今は引っ込んでてくれ」


「キャッ!?」
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