スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
グイグイ湖柚の腕を引っ張って、教室から出た。


だが今回の目的地は、廊下でも昨日の視聴覚室でもない。


「へっ!?ちょっと待って、このまま外出るの!?」


「ああそうだよ」


下駄箱で外グツに履き替え、校舎から出ると、湖柚の慌てっプリが悪化。


夏なのにサーーーッと血の気が引いてって、顔が真っ青だ。


「ヤダヤダヤダ!帰るぅ~~~!!」


「いいから黙ってついて来いっ!」


「………っ!」


オレが怒鳴った瞬間、湖柚の抵抗がピタリと止まった。


オレが湖柚に対して怒鳴るなんて、初めてだもんな…良心が痛む。
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