スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
そう言いながらチラッと湖柚を見た華道·所流現家元は、きっとオレが何を言いたいのか分かっている。


「む、村星君……」


いきなり和風の豪邸に連れて来られ、いきなり和果の御両親と対面させられた湖柚は、もう大丈夫かって程大混乱だ。


オレはそんな湖柚の隣で、深々と和果の御両親に向かって頭を下げた。


「申し訳ありません。オレは…アナタ達の娘さんとは、結婚出来ません」


「!?」


視界の殆どを自分の太ももが占領する中、湖柚が息を呑んだのが耳だけで分かった。


今日湖柚をここに連れて来た理由は、オレなりの決意と誠意を見せる事。
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