スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
ポワポワとハテナマークを浮かべて問いかけると、アダナは王子様の美少年は私の手を優しく握る。


「また一緒に来て。時間、平気か?」


「う、うん…大丈夫だよ」


「じゃあ、もう少しオレにつき合って貰う」


7月の今の時間、まだ外は明るい。


あまりにも帰るのが遅くならない限り、両親やお兄ちゃんが心配する事は無いだろう。


村星君に手を握られたまま歩いてゆくと、段々と見覚えのある風景になってきた。


「む、村星君、もしかして…あそこに向かってる?」


「ああ、分かった?」


――分かるよ。


分からないハズが無い。
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