スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
呆然と未だにボールを離そうとしない乱入チワワを眺めていると、今度は正真正銘人間の怒りの叫び声が耳に届いた。


バッとそちらを振り向くと、先程乱入チワワが飛び出して来た茂みと同じ所がガサガサと揺れている。


「あっ、いた!テメェ脱走してんじゃ――――…って、えっ!?」


「む、村星君!?」


なんと茂みの陰から現れたのは村星君で、私の姿を捉えた瞬間目を丸くして驚いていた。


一方私もまさかの展開に口を開けたまま動けなくなり、数秒間お互いに見つめ合った状態で硬直。


「風家、お前なんで……」


「ワンッ!!」
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