Again
「あの……仁さん、ホームセンターが左でスーパーが右側なの。どちらも買い物があるから、空いているなら丁度真ん中に止めてくれますか?」
目的地が見えた所で、葵が仁に言う。
「分かった」
くるくるとうまい具合にハンドルを切り、狭い駐車場をぬって車を進める。日頃、車の運転をしないサンデードライバーの仁だが、うまいこと運転をすると、葵は、仁のハンドルさばきをじっと見る。運転している姿も様になるのだと、見とれてしまうのを、我慢する。
「あ、仁さん、この先に空いている所が……左に……」
身体を少しだけ乗り出して、葵が指をさす。
「あそこでいい?」
「はい」
なんとか駐車スペースを見つけ、車を入れる。都心の駐車場は止めるスペースもぎりぎりに取られているが、仁は、何回かの切り替えしをして難なく車を止めた。
「葵、隣の車と間がぎりぎりだからちょっとドアを開けないで。今、俺が開けるから」
「はい」
仁はエンジンを止め、慎重にドアを開け、降りた。車の前に回りこみ、助手席のドアを開けた。
「ありがとうございます」
葵は、シートベルトを外して降りようとしたが、すっと仁の腕が伸び、子供を高い所から降ろす父親の様に、仁は葵の脇に手を入れて、車から降ろした。互いの目が絡みあって、すとんと地面に葵の足が着くと、
「す、すみません」
恥ずかしいのと、照れ臭いので、葵は、ぱっと仁から離れる。仁は、そんな葵を微笑ましく見た。
葵は、車を降り、少しキョロキョロとして方角を確かめる。車の駐車場所を目印の看板で確認していた。
「駐車の位置を確認しているの?」
「え? あ、場所が分からなくなると思って」
「ありがとう」
甲斐甲斐しく、優しい葵に、仁は抱きしめたくなるのを、拳を作ってぐっと我慢する。
ここが家ならば、抱きしめて離さなかっただろう。にこやかに礼を言われるのも照れ臭い葵は、そそくさと
仁をホームセンターに促した。
通り過ぎる人は家族連れが多くをしめていた。視線は家族連れを追っていた。葵はそんな光景をみながら、いつか仁との間に子供を授かることがあるのだろうかと、この現状から不確かな思いがよぎった。
「あ、ごめんなさい」
休日の買い物客で賑わう場所は、混雑している。葵は、仁の後ろを歩いていたが、人にぶつかってしまった。お互いに、軽く頭を下げて、謝る。
「葵」
仁は、後ろに歩いていた葵の腕を掴んで引き寄せる。人目をはばからず、仁は葵の腰に腕を回して、歩き始めた。突然の仁の行動に、嬉しいような恥ずかしいような顔をする。
目的地が見えた所で、葵が仁に言う。
「分かった」
くるくるとうまい具合にハンドルを切り、狭い駐車場をぬって車を進める。日頃、車の運転をしないサンデードライバーの仁だが、うまいこと運転をすると、葵は、仁のハンドルさばきをじっと見る。運転している姿も様になるのだと、見とれてしまうのを、我慢する。
「あ、仁さん、この先に空いている所が……左に……」
身体を少しだけ乗り出して、葵が指をさす。
「あそこでいい?」
「はい」
なんとか駐車スペースを見つけ、車を入れる。都心の駐車場は止めるスペースもぎりぎりに取られているが、仁は、何回かの切り替えしをして難なく車を止めた。
「葵、隣の車と間がぎりぎりだからちょっとドアを開けないで。今、俺が開けるから」
「はい」
仁はエンジンを止め、慎重にドアを開け、降りた。車の前に回りこみ、助手席のドアを開けた。
「ありがとうございます」
葵は、シートベルトを外して降りようとしたが、すっと仁の腕が伸び、子供を高い所から降ろす父親の様に、仁は葵の脇に手を入れて、車から降ろした。互いの目が絡みあって、すとんと地面に葵の足が着くと、
「す、すみません」
恥ずかしいのと、照れ臭いので、葵は、ぱっと仁から離れる。仁は、そんな葵を微笑ましく見た。
葵は、車を降り、少しキョロキョロとして方角を確かめる。車の駐車場所を目印の看板で確認していた。
「駐車の位置を確認しているの?」
「え? あ、場所が分からなくなると思って」
「ありがとう」
甲斐甲斐しく、優しい葵に、仁は抱きしめたくなるのを、拳を作ってぐっと我慢する。
ここが家ならば、抱きしめて離さなかっただろう。にこやかに礼を言われるのも照れ臭い葵は、そそくさと
仁をホームセンターに促した。
通り過ぎる人は家族連れが多くをしめていた。視線は家族連れを追っていた。葵はそんな光景をみながら、いつか仁との間に子供を授かることがあるのだろうかと、この現状から不確かな思いがよぎった。
「あ、ごめんなさい」
休日の買い物客で賑わう場所は、混雑している。葵は、仁の後ろを歩いていたが、人にぶつかってしまった。お互いに、軽く頭を下げて、謝る。
「葵」
仁は、後ろに歩いていた葵の腕を掴んで引き寄せる。人目をはばからず、仁は葵の腰に腕を回して、歩き始めた。突然の仁の行動に、嬉しいような恥ずかしいような顔をする。