オオカミシェアハウス
「ほら、早く行って来い。混むぞ」
桐山さんが私と藤澤さんの背中をトンッと押す。
「え、でも…」
「………アンタ」
「えっ、はっ、はい!?」
「しょうがないから一緒に回るけど、必要以上に近づくなよ。あと、迷子になるなよ!」
そう言って、藤澤さんは前をスタスタと歩いて行く。
「あ、じゃあ、桐山さんと入谷くん、行ってきます!待って下さい藤澤さん!」
私はそれを戸惑いながら追いかけた。