オオカミシェアハウス
機内は予想以上に狭くて、肩と肩がぶつかってしまう。
「あのっ、藤澤さん、こんなに近いのにいいんですか!?」
「いいわけないだろ!でも、並んじゃったからしょうがないし」
そう言う藤澤さんの顔はやっぱり嫌そうで、悪いことをしたな、と思ったが―
「…まあ別に、絶叫は嫌いじゃないし」
藤澤さんはそう言って、そっぽを向いた。
―あれ?もしかして、案外楽しみにしてる…?
「はーい!それじゃあ出発しまーす!」
係の人の声を合図に乗り物が動きだし、水しぶきが上がった。