現実は小説よりきなり

バレた秘密






午後の授業は眠さと戦いながらも頑張った自分を誉めてやりたい。


SHRで、先生が連絡事項を伝えるのをぼんやりと聞きながら、窓の外へと視線を向けた。


琉希也君が昼間に迎えに来て手を繋いで歩いてた事は、瞬く間に広がった。

全校生徒の知るところになったと言っても過言じゃない。


一躍時の人となった私には色々な視線が向けられる事になった。


興味、妬み、嫉み、憎悪、ほとんどが気持ちの良いもんじゃない。


ほとんどのクラスメートは、態度を変える事は無かったけど、他のクラスの人達はあからさまに敵視してくる。

もちろん、女の子限定だけど。


男の子達も物珍しげに見てくるけど、それは特に害はない。


本当の所、彼とおおっぴろげに関わる事が良いことだったのか?疑問に思う。



美樹達が教えてくれた様に、聖子さんが影で糸を引いてるなら...近くにいた方が敵を監視しやすくて良いのかも知れないけど...。



そうそう、委員長が宣言した通り、5時間目が始まる前に帰ってきたら、机は無事だった。

ロッカーも机も何事もなく安心できたのは言うまでもない。

委員長と協力してくれたクラスメートには感謝だ。



私に嫌がらせをしてたと思われるギャル三人組はすっかり大人しくなってる。

私の方をコソコソと見てはバツが悪そうに目を伏せるんだ。

彼女達の視線には悪意じゃなく戸惑いが見てとれる。


やっぱり感じる違和感。

彼女達が先導してやってたんじゃないと思えてくるんだ。


聖子さん?

彼女の指示に従ってたんだろうか?



窓から視線を移動して怯えてる様に見える三人を捉えた。


う~ん、なんだか、変なのよね。


美樹に相談してみようかな。


小説ならこんな時は一人で行動して、ピンチに陥ったりするんだろうけど。

私はそんな浅はかな事はしない。


そんなことしたら、心配してくれてる人達に悪いもんね。


美樹や霞達と約束したし。


私は自分勝手には動きません。




あ、そう言えば、今日は勉強会があるから、小説の更新は夜しか出来ないなぁ。

新しいネタ沢山仕入れたのに。


ムフフ...と一人でほくそ笑む私は、きっと周りから見て変な奴なんだろうなぁ。




< 90 / 123 >

この作品をシェア

pagetop