現実は小説よりきなり
こんな時、彼が不良と言う分類に所属するのだと思い知らされる。
琉希也君達のグループは聖子さんを除いては、フレンドリーだし話してたら皆良い人だったから忘れてたけど。
彼らは今まで、私とは別枠で生きてきた人達な訳で。
こっそり、小説のモデルになってもらってた以外は関わることなんてない人達だった。
本当に琉希也君達と居ても良いのかな?
聖子さんの動きを見るためだとしても、嫌がらせを止めさせるためだとしても。
私は派手な彼らと居ることは正解なのだろうか?
う~ん、大丈夫なのかな。
ちょっと不安になってくるよ。
結構、呑気に構えてたけど、これって凄いことなんだよね。
「嵐ちゃ~ん!」
美樹の声にハッと視線を向ける。
校門前に居る一際目立つ集団の真ん中で美樹が元気よく手を振ってた。
.....目立ちすぎだから。
小さく息を漏らす。
彼女に普通を求めるのは無理だな、と諦める。
静かにしててもあのメンバーって目立つのに。
美樹ってばこれ以上目立ってどうするのよ?
「あいつは、昔からあれだから諦めろ」
私の心を呼んだらしい琉希也君がそう教えてくれる。
「...あ、そうなんだね?」
そんな気はしてたよ。
「あれはあれで、役に立つ時もある」
クククと笑うから、
「パーティーには必要だと思う」
と返しておいた。
ムードメーカーの美樹はパーティーにはもってこいだと思う。
「フッ...それは間違いねぇな」
ゆるりと口角を上げた琉希也君にドキッと胸が跳ねたのは気付かない振りをした。
美形はどんなか顔しても綺麗よね。
うん、ほんと、羨ましい限りだわ。
「遅い琉希也!嵐ちゃん、迎えにいけなくてごめんね」
校門に到着した琉希也君と私に美樹が話しかけてくる。
「うっせぇ」
と一瞥した琉希也君と、
「...美樹だと思ってたのに」
と少し不貞腐れた私。
美樹だったら、あんなに見られる事無かったしね。
「俺だと不服なのかよ」
ちょっと、睨まないでよ。
「だって、あんなに晒し者になったんだもん」
と唇を尖らせる。
「だから、慣れるしかねぇって。ま、諦めろ」
ニヤッて笑うな。
琉希也君達と違って、そんな簡単に慣れるわけないでしょ!
はぁ、この先凄く不安だ。