時のかけら

それから2日間。


あたしは寂しさを紛らわすために、ひたすらジグソーパズルに没頭した。


難しくて頭を悩ませるけれど、その間は哲哉さんのことを考えなくて済むから。


不意に気が抜けて、頭の中に哲哉さんのことが浮かぶこともあったけど。


思いっきり頭をブンブン振って、またジグソーパズルに打ち込む。



だんだんと要領を得てきたあたしは、ジグソーパズルを進める速度が信じられないぐらい早くなる。


次々に埋まっていくピース。

あたしの記憶とは大違い。




「……できた」




それが完成したのは、哲哉さんが帰ってくる予定の火曜日のお昼過ぎだった。


何とも言えない達成感に、ベッドに寝転がって天を仰ぐ。


これを見たら哲哉さん、何て言うかな。

ビックリするかな。



どんな反応をするのか想像して顔が綻んでいく。


もうすぐ好きな人に会えるんだ。


――……っ!!



あたしは体を丸めて、激しく鼓動する胸を両手で押さえて目を閉じた。




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