時のかけら
恐る恐る目を開けたそこには、
散らばったシャツやズボン。
マグカップにお皿。
CDに雑誌。
ビデオに……って……。
「ア、ア……アダルトビデオ!!」
あたしの目の前に転がってきたのは、裸の女の人が写っているビデオのケース。
いけないものを見てしまったかのように、胸がドキドキして直視できないでいた。
だって、あたし処女だし!!
ムリムリ!!
三年も付き合ってる彼とだってキスだけだよ……?
って、えっ?
あたし、今……。
「ハハハッ。まぁ、男だしね、仕方ないじゃん。必要なんだよ……ハハッ」
哲哉さんは照れていることを笑ってごまかすかのように、散らばった荷物を拾い集めた。
そして荷物が落ちてきたと思われるクローゼットに、再び押し込みはじめた。