時のかけら
それから、あたしと哲哉さんは散らばった荷物を片付けることにした。
一部始終を見ていたという哲哉さんは、またクローゼットに詰め込むよって笑いながら言ったんだけど。
また同じことが起こるかもしれないからって、片付けを無理矢理決行させた。
衣類は洗濯機に入れて洗濯。
食器類は流しに。
小物類はゴミと分類して、片付け。
もちろん、アダルトビデオは……哲哉さんに片付けてもらって。
ジグソーパズルの箱からこぼれた数個のピースは箱に戻した。
二人で、と言っても片付けが苦手な哲哉さんにあたしが指示を出しながら、片付けは順調に進んでいった。
「ルリちゃん名前以外に何か覚えていることは?」
「えっと……」
不意に哲哉さんから質問され、片付けをしながら今までに思いだしたことを話し始めた。
名前は“ルリ”
もうすぐ18歳、だから今は17歳ってことかな。
三年も付き合っている大事な彼がいる。
けど、処女……ってことは秘密。
こうやって片付けをよくしていたこと。
そして、一人になるのが怖いということ。
ポツリポツリと話すあたしの言葉に、哲哉さんはただ頷いていた。
で、今さらなんだけど哲哉さんのことも教えてもらったんだ。