時のかけら
「ルリッ!!」
「あっ……哲哉さん……」
「大丈夫? 本当に病院行こう」
今度は覚えている。
頭を押さえて倒れたあたしは哲哉さんに支えられていて、床には持っていたアイスが落ちて少し溶けていた。
心配そうに覗き込む哲哉さんの顔を見つめて呟く。
「……連れていかないで」
「えっ?」
「病院……は嫌」
我儘を言う子どものようにあたしは泣きついていた。
「お願い、病院には行きたくないの……」
震える体を抑えることができず、哲哉さんにしがみつき泣きじゃくっていた。
なぜか分からないけど、病院には行きたくないの……。
我儘言ってごめんなさい……。
もう、自分がどうしたいのか訳が分からない。
哲哉さん……。
「じゃあ、本当にここにいる?」