時のかけら
《第2章〜同居生活〜》
突然俺の前に現れた君は、まるで空から舞い降りてきた天使のようだった。
真夏の夜に白いワンピースを一枚身にまとっているだけで。
何て危なっかしいんだろうって、気付いたら声をかけていた。
夜風に揺れるサラサラの黒髪とワンピースの裾。
髪の間から覗く人形のような長いまつげに少し口角の下がった小さな唇。
柔らかそうな頬に白い肌。
こんな俺が思わず目を奪われてしまったぐらいだから。
もう、女なんて当分関わりたくないって思っていたのに。