時のかけら
・当たり前の日常
風に流れる白い雲に透き通るような青空。
目を開けていられないくらいの直射日光。
「うーん、絶好の洗濯日和!」
朝食の片づけを終えたあたしは洗濯機の終わった音を聞き、バルコニーにある物干し竿に洗濯物を干し始めた。
哲哉さんの部屋にはバルコニーと窓がある。
縦長の造りの部屋だから他の部屋には窓がなくて、角部屋の特権かななんて些細なことが嬉しくなる。
シワを伸ばしてハンガーにかけられた洋服。
タコアシに吊り下げられた下着や靴下。
鼻唄を歌いながら次々と干していく。
何か、新妻みたいよね!
この夏の気候が、あたしの気持ちも陽気にしてくれる。
「あの時の哲哉さんも可愛かったなぁ〜!」
タコアシにかかっているトランクスを見つめながら、あたしは思い出し笑いをしていた。
……そう、あれは月曜の夜の出来事だった。