時のかけら
その瞬間の出来事はあっと言う間で、少しの間何が起こったのか理解できずにいた。
茫然と立ち尽くすあたしとは正反対に、挙動不振な哲哉さん。
すっかり暗くなった外にいる哲哉さんの顔は、部屋から当たる明かりで少しだけ赤くなっているのが見えた。
「はぁ……ごめんね」
「えっ? 何で?」
突然謝られたことの意味が分からずに首を傾げる。
そして、ようやく状況を理解してきたあたしは、手からはぎ取られ今は哲哉さんの手にあるトランクスを見た。
その瞬間それを後ろにサッと隠すと、
「……だから、こんなものまで洗濯させちゃってごめんね?」
目線を逸らし、恥ずかしそうに呟く。
そっか……!!
「……ッ……クスクス」
「ちょっと、ルリ……」
突然笑いだしたあたしに焦る哲哉さん、それが余計にあたしを笑わせた。
だってあたしのことは散々からかってくるのに、自分のこととなると照れちゃって……。
可愛すぎでしょ!!