てとりみの
やはり強い。
強すぎる。
いや、私が弱すぎるのか。
現時点でもう、勝ち星を倍以上取られていた。

いつの間にか、しばらく無言になって、対戦を続けていた。
そのさなかで、優が
「休憩しようか」
と、口を開いた。

素直に同意し、手汗ですべるコントローラーを置く。
大きく息をつく私に、彼は少し笑った。

「疲れた?」

「いいや、疲れてないし。まだやるもの。やってやるもの!」

私はすこし茶目っ気を出して笑ってみせる。
そこで彼は言ったのだ。


「これは、言うのをためらってたんだけどさ。

俺はお前が好きだよ。」
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