蝶子の夢【完】
「ちょおーーーーこーーー!」
今日もまた、藍佳が大きく手を振りながらこっちに駆け寄ってくる。
「おはよ!藍佳!」
私もいつも通り腕がちぎれそうになるくらい振る。
「ねえ、蝶子。ほんとーに、夢野くんのこと好きじゃないの?気にならないの?」
あー。始まった。
「昨日から事あるごとにそれ言うのやめてよね。ただ挨拶してきただけじゃない」
そーだけどさ、見つめちゃってるからさって藍佳がブツブツ言う。
「だってさ、女子ってこーいう話をする生き物よ!仕方ないじゃない。そーいう話したいんだもん!」
「私だってそーいう話出来たらいいのに!そういう友達がほしい!ってずっと思ってたよ!」
………ん?