蝶子の夢【完】
藍佳が落ち着いたときには、もう学校に着いていた。

「蝶子のせいで笑いすぎたよ。多分腹筋割れたね!」

そんなことで割れるならきっと誰も苦労しないと思うわ。と思いつつも軽く、そうねと返事をする。

「あ……ねぇ藍佳」

下駄箱に靴を入れながら、何?と振り向いた藍佳を見て、やっぱ話さない方がいいかも……と思う。

「やっぱなんでもない。」

「何よそれ!いいなさーーい!」

グーで殴るフリをする藍佳をさっと避けて、怒らないでよ?と確認する。

「おっけ!怒らない!」

「私さ、今朝夢で小学生姿の藍佳とお喋りしてたんだよね」

………。



あ、沈黙。




「でも、あんまり違和感なかったんだ。
むしろ、それが正しいみたいな感じで」


あれ、私何言ってんだ?
藍佳固まってるじゃない。


「蝶子………。
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