蝶子の夢【完】
気がついたら学校に着いてて、その時にはもう、倒れるんじゃないかと思うくらい息が上がっていた。
席について、ようやく落ち着いた頃に藍佳が息を切らせて走ってきた。
「蝶子!!どーしたの?!」
藍佳の大きな声に私はただ、へらへらとしか笑えない。
「おばさんが、蝶子が走って、焦った顔して出てったって言うから、朝ごはん食べずに、走ってきたんだよ?!何があったの?!」
確かに藍佳の髪の毛は左右に跳ねて落ち着いていない。いつもなら、ぴしっと決めてくるのに、見るからにダッシュで来ましたって感じ。
「うん……。ちょっと、学校に来たくなってさ。」