蝶子の夢【完】
「どう逃げようか考えてるの?」

どきっ。

「そ、そんなことないけど?!」

あぁまたタイミングを逃した。それどころか、否定した勢いで椅子に座ってしまうなんて。

逃げれないよね。

夢野くんはくすりと笑って自分の席に行き、帰る支度を始めた。

席……隣とかじゃなくてよかった。

私は窓際の前から4列目で夢野くんは廊下側から2列目の前から3列目。
対角線上とは言わなくても、そこそこ離れてる。

けど。

今の状況からして、夢野くんに廊下側にいられると逃げ道がなくなるからすごく困る。
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