蝶子の夢【完】
放課後の教室って、なんで誰もいないのよ。

藍佳と帰ればよかったかも。そんな気分じゃなくても、いつも通り藍佳と帰ればよかった。


なんか……話した方がいいのかな。

窓の外を一旦見て、息をふぅーと吐く。

「ゆ、夕焼けすごいね!明日、天気良くなるのかなぁ!」

わざとらしかったかな。
変にどぎまぎしてしまう。

「そうだね。暖かくなってきたしね。」

夢野くんは窓の外をちらりと見て言った。

か、会話が成立した!

とりあえず安心して私はもう少し続けようとする。

「そうだね。あったかくなってきたよね。春だもんね。もうすぐ、春が来るもんね。」



< 48 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop