蝶子の夢【完】

「あーあ。思い出しちゃったか。」


夢野くんじゃない!この人は……クラスメートじゃない!!

思い出した。

夢野与助はクラスメートなんかじゃなくて……


「お届け屋さんね?!あなた夢野くんなんかじゃない!夢野与助は存在しない!」

夢野くん…ううん、お届け屋さんが静かに微笑む。

「そうだね。夢野与助なんて存在しない。僕はお届け屋だよ。」

そう。この人はお届け屋。
いろんな人に色んなものを届けてくれるお届け屋。


けど…違う。私が忘れたのはこんなことじゃない。もっと、もっと大切な…。

またぐるぐると頭の中がまわる。
< 51 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop