蝶子の夢【完】
「あーあ。思い出しちゃったか。」
夢野くんじゃない!この人は……クラスメートじゃない!!
思い出した。
夢野与助はクラスメートなんかじゃなくて……
「お届け屋さんね?!あなた夢野くんなんかじゃない!夢野与助は存在しない!」
夢野くん…ううん、お届け屋さんが静かに微笑む。
「そうだね。夢野与助なんて存在しない。僕はお届け屋だよ。」
そう。この人はお届け屋。
いろんな人に色んなものを届けてくれるお届け屋。
けど…違う。私が忘れたのはこんなことじゃない。もっと、もっと大切な…。
またぐるぐると頭の中がまわる。