【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん



「いや、私の分のお夕飯は面倒でなければ親子丼お願いできますか?食べてから出かけようかと思うぐらい残念なの」


嬉しい事を言ってくれやすねって言いながら


渡辺さんは了承してくれた。


少しの時間、渡辺さんは自転車に乗ったらどこへ行くのか聞いてみた。


そしたらどこへ行くって自宅とここの往復でしょうって笑っていて


もっともすぎた。


朝から夜まで屋敷の中にいる渡辺さんが自転車でどこかへ遊びに行くという事は考えられない。


朝食から昼食そして夕食と準備をする数があまりにも多い。


まったくどこにも出られる時間はないかというとそうではないけれど


出る必要がないように思える。



時計を見ると約束の時間が近づいていたので私は


「いってきます」と手を振って玄関へと向かった。


廊下で前田さんに出会い


お出かけですかと声をかけられた。


うんうんと頷きながら

「自転車に乗ったらどこへ行ってる?」


そんな私の問いかけには不思議そうな顔をしながら


「パチンコですかね」


あぁ…。


「ですよね」


私はまた頷き手をふって玄関へと向かった。





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