【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
「乗れやすよ」
その質問は野暮でございやしょうって感じで答えられ
ものすごーーく残念。
「なんだぁ。三浦さんと自転車の練習しようと思ってたのに」
「へ?結衣さんは自転車にお乗りになれないんでごぜぇやすかい?」
「乗れますよ。三浦さんが乗れないかもって思ったの」
「いや、結衣さんそれはあんまりでごぜえやすよ」
「だって三浦さんに自転車のイメージないんだもの」
庭での練習という楽しさは夢で終わった。
もし三浦さんが自転車に乗れなかったらと笑ってはいたけれど
私には日ごろの恩返しをする最大のチャンスだった。
三浦さんが乗った自転車を私が支えることが出来るかっていうと
それはものすごく疑問だけれど乗れた乗れたと喜び合う事を想像するのも楽しかった。
だけど私のスーパーマンは自転車も問題がなかった。
「さすが私のスーパーマン」
「自転車に乗れないと思われていた事の方が驚きでごぜぇやすよ」
それからはみんなで笑いながら
乗れないであって欲しかったとか一緒に練習したかったとか
神田さんも運転しながらクスクスと笑っていた。