【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


男の子だったら私。女の子だったら隼が決めると2人で相談した。


いくつか候補をあげた中からだったけれど隼はわが子を見て菫に決めたようだ。


「すみれかぁ…名前は可愛いのに顔が隼だ」


「隼を菫とは呼べない」


「またぁ…あははははは」



先生も病室へいらして


「響、由香里ちゃんおじいちゃんとおばあちゃんになったな」


「お陰さまで無事に産まれて…本当に有難うございました」


「いやぁ…僕も安心しましたよ」


先生もホッとした顔を見せた。


「正直、帝王切開になるかなと思ってました」


「せ…先生…ギリギリじゃないって言ったじゃないですか」


私が訴えると


「ギリギリだって言ったら余計緊張して変に力が入ってしまうだろ」


いやそうだけど…


そうなんだけど。


「ギリギリじゃないよって言ったらまぁ上手に出産するじゃないか。赤ちゃんもノンストレスだ」


「ストレスってかかるんですか?」


お産が長引いたりすると赤ちゃんもやっぱり苦しい。


お腹の中で小さい身体でたくさんのストレスを受けるらしい。


「赤ちゃんも小柄で頭も小さいかったからね。親孝行な子だね」


「すごくちっちゃく見えたんだけど…」


「小柄だけど未熟児ではないよ。藤堂さんには丁度いい大きさだったね」


「先生?赤ちゃんもあたしみたいにずっとちっちゃいとかあります?」


「プッ結衣…自分でちっちゃいとか言うんだ」


隼は笑っているけど私にとっては結構真剣だ。


いやちっちゃのは悪くないよ。


だけどおっきいならおっきい方がいいじゃないか!


「隼くんがこれだけ大きいんだ。大きくなるよ」


由香里さんも響さんもクスクス笑っていて


またそういう可能性もなんていったら結衣が毎日悩んで暮らすって思うから言えないよねぇなんて笑っていて


いやそれ…期間がロングラン過ぎる…


でも本当に無事に産まれてきてくれて良かった。


元気だったらもうそれだけでいい。




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