【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
翌日には助産婦さんが言った通り
病室に来てくれるのすら待ち遠しく
「痛い…出産って痛いことが目白押しなんですね…」
クスクスと笑いながら
「辛い?」
「辛らくはないけど何が起こるかわからないから戸惑います」
「そうね。知らないと戸惑うけど経産婦さんは次がわかるからその憂鬱さというか怖さみたいなものもあるとは言うわね」
「何かわかる気がします」
母乳も出るようになり菫も糖水から初乳と言われるお乳を飲むことが出来た。
そしてちっちゃなベッドでずっと私の同じ部屋。
「ずっと見てないで寝てるときには寝ないとバテるわよ」
「はい」
隼は当然毎日病院へとやってきた。
由香里さんも響さんもそりゃもう楽しみでしかたないみたいだ。
いつきても寝てるって不満を零す隼と響さん。
目が覚めればおっぱいの時間。
「ゆ…結衣」
隼が焦った声を出し
「え??」
「親父出ていけよ」
「あぁ。あはははは」
考えもせずネグリジェのボタンを外しはじめた私に隼からかけられた言葉だった。
「焦らすなよ」
「あははは。最初はね。助産婦さんにでも恥ずかしかったんだけど何回もやってると何かおっぱいあげる方に頭がいっちゃって恥ずかしさがない」
私の言葉に吹き出しながら
「家に帰ったらまじで気を付けてくれよ」
「あぁ」
想像したら自分でも笑いだしてしまった。