【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
四歩目
私の体調も順調に回復し菫も何の問題もなく予定通り退院した。
おくるみに包まれた可愛いわが子を抱き車へ乗ると
横から隼が穴があきそうなぐらい見つめている。
藤堂の家についたとたん大勢の組員さんが出迎えてくれて
初めてみる菫にみんな笑顔だ。
「もうちょっとしたらみなさん抱っこしてあげてくださいね」
「そらもう喜んで」
「練習もバッチリです」
そんな言葉に思いっきり吹き出した。
由香里さんも響さんも眉も目も下がりっぱなしで
「おい、そんなに近づくなよ」
「隼、お前は後でいいだろ」
「そうよ。下がってなさいよ」
相変わらずの3人には吹き出すしかない。
部屋へ戻りベッドへ寝かすと菫はすやすやと眠ったまま。
そして隼はそんな菫を覗いたまま。
これから毎日いるのに…
それでもやっぱり可愛くて仕方ないみたいだからすきにさせておいた。
私は完全に産後の身体が回復するまで横になるように言われていたのですぐにベッドに横になった。
夜中の授乳のせいでいくらでも眠れると思う。
だけど オギャッ
ほんと小さな菫の泣き始めの声が聞こえるだけでパッと目が覚め
おっぱいもパンパンに張ってくる。
母親ってすごい。