【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


「みー」


「みー」


菫が呼ぶのは三浦さん。


菫も三浦さんが大好き。


隼はちょっと面白くない。


そりゃそうだ。隼よりも会う機会が多い。


過ごす時間も長い。


三浦さんを見つけたら満面の笑みだ。


「菫ちゃん。ご機嫌だね」


「ご機嫌でごぜぇやすって言わないの?」


笑いながら聞けば


「菫ちゃんがそんな言葉を覚えたら大変でごぜぇやしょ」


言ってるそばからごぜえやしょ。


あはははは



手をパチパチと叩いて


「うー」


「うー」


菫の視線の先には植木さん。


組員さんたちは自分の名前を覚えてもらおうとそりゃもう必死で猛烈アピール。



だけど菫が完全に覚えているのは


パパ、ママ、ジー、バー、みー、うー、わー


わーは渡辺さん。


菫に美味しいものをくれる大好きな人だ。


完全に胃袋を掴まれていて私と同じだ。





< 242 / 282 >

この作品をシェア

pagetop