【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
やっとの事で桐生さんにバイバイと手を振らせ
由香里さんの部屋へ戻ってから私と菫はシャワーを浴びた。
遊び疲れたようでお昼ご飯を食べるとすぐに昼寝をしてしまった。
由香里さんは時々、さっきの菫の様子を思いだすように吹き出し
「いやぁ凄いね。まるで三浦にあった時の結衣だわ」
「あんなでした?」
「結衣が子どもだったらまさにあの状態だね」
そう言われると恥ずかしくて顔が赤くなる。
「三浦の事も菫は特別に思ってるみたいね。それに植木も」
「植木さんの事踏みつけるからもうハラハラして」
「あはは。植木はそれが嬉しいんだからいいのよ」
菫がそうなったのは、私がお二人の姿を見つけると嬉しさからすぐに駆け寄るからなのかもしれない。
他の組員さんたちも、もちろん大好きだけれど
やっぱり植木さんと三浦さんは、私の大切な人。
三種の神器なんだから。
そして、この藤堂家に来て何もわからず戸惑う私に
いろいろ教えてくれて、励ましてくれて
傍にいてくれた人たちだ。
私にとって二人はヒーローなみにかっこよくて
しぶ~い男たちだ。
笑っちゃうような思いでも多いけれど
燻銀のような植木さんに
苦味ばしった三浦さん
菫が特別に思うのも当たり前のような気がする。