【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


慣れろって隼はいうけれど


それは無理だ。


それなら出かけなくてもいい。


私の考えはそこに行きつく。


それなのに三浦さんは


「結衣さん、家の中ばかりじゃ退屈でごぜぇやしょ?春香さんとお出掛になられたらよろしいじゃないですか」


そんな風にいつも声をかけてくれた。


その気持ちだけで何だか満たされるのも事実。


春香さんの家へ行けば外へは出ない約束で迎えを呼ぶまで三浦さんも藤堂の家に戻る。


春香さんも来てくれるから問題がない。


場所がどこであれ、話しは出来るからさしたる不自由もなかったけれど


1人で出かけられる?なんて夢を抱いてしまったから


残念という気持ちが大きく感じる。





「結衣、自転車ってさ…」


由香里さんがそこまで言うと私は笑いながら口を挟んだ。


「補助輪なんていりませんから。ちゃんと乗れますから」


「え?あははは。そんなこと考えもつかなかったわよ。結衣…あはははは」



どうやら墓穴を掘ったらしい。









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