【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん


真っ赤になった私を見ながら


「ホントはどこに行きたいの?」


「コンビニ」


「え?他にないの?そんなにコンビニに行きたいの?」


何でコンビニかと言われたら理由なんてとくにない。


一番近くて許可してもらえそうなとこがコンビニだっただけで


10分も漕げばラフルールへも行けるし


もっと頑張ればBRILLIAへも行ける。


だけど繁華街へ自転車で行く意味はまったくない。



「スーパー?」


「スーパーに行って何を買うの?」


確かにそれもそうだ。


極道のトップと言われる藤堂の若頭の姐さんが


自転車の籠に野菜やらトイレットペーパーを積んで走っていたら


それはそれで何だか問題になりそうな気もする。



そもそも自転車で積める量では、組員さんたちの空腹は満たせない。


渡辺さんが業者さんに連絡をして定期的に納品してもらっているのは知っている。



隼との食事を作るときはその中からおすそわけをしてもらうわけだ。



春香さんの家も佐和子さんの家も自転車では相当頑張らないとムリだ。






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