【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん



「本屋とかDVD借りにいったりとか?」

どうやら自転車を手にしても行く先に困りそうな気配もする。


組員さんはたまに自転車で出ていくからどこへ行ってるのか聞いてみよう。


行き先の候補をあれこれあげないと


自転車はいらないだろうと言われかねない。


庭で乗るか?なんて隼に言われたら泣きたいぐらいだ。




「結衣、自転車を買っても1人で外に乗って出ていいと隼が言うとは思えないわよ。響だって止めるんじゃないかな」


「ママでも止められる?私だからダメ?」


由香里さんは綺麗な眉の片側を少し上げて


「私が自転車に乗りたいって言うとは思ってないと思うわ。結衣は車にしたら?その方がまだOK出るかもしれないわよ」


嬉しくなって頬が緩んだ瞬間


「あ…ダメだ。遠くへ出かけるようになるから無理だわね」


自分でも妙に納得した。





だけど、私の欲しいものと聞かれ


私は自転車が欲しいと答えた。


確かに隼は 


は?と変なものでも見るような


本気で驚いた顔をしていたけれどダメとは言わなかった。


庭で乗ると想定しているからなんだろうか。



それじゃ全然楽しくない。


むしろ自転車はいらないに等しい。






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