俺、お前以外は愛せないから ~私とアイツの仮面舞踏会~
「女なんか、しょせん、顔しか見てねえよ」





「まあな」





洸は意外にも、あっさり認めた。





「けど、爽には顔以外に見ていてくれている人が二人いる」





二人?





「鷲山亜子と、すみれちゃんだよ」





鷲山亜子と、すみれ?





「鷹山亜子は、親に言われて嫌々だろ。それに、すみれは、俺のことなんて好きでもなんでもねえよ」




俺は言いながら辛くなった自分が憎く思った。





「そんなの、聞いてみなきゃわかんねえだろ」





俺は本気で怒っている洸をみて驚いた。





「……洸は、すみれのことが好きなんだよな」





「好きだよ。誰にも譲りたくないと思うぐらい、好きになった」
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